
いつも見えていた“誰か”が、今日はなぜか──いない。
でも、その不在こそが、いちばん強く感じられる。
日常の中に忍び込んだ、静かな違和感を切り取った一枚。
■「ベンチの男 前回のストーリー」
>> 第1話 「目が合いそうで合わない。不自然なほどに。」はこちら
「いない」のに高まる不安
朝の散歩が日課の彼女。決まったルート、決まったベンチ、決まった時間。
でも最近、毎朝必ず同じベンチに座っている中年男性がいることに気づいた。
スマホも見ず、ただ前を見てじっとしているだけ。
「目が合いそうで合わない。不自然なほどに。」
動きもない。ただ、いつもいる。

「でも今日はいない…?」

「……自分の考えすぎだったのか?」
その日、彼女はそんな事を思いながら、ベンチを通り過ぎる。
でもふと、背中に熱のような感覚が。
振り返ると、ベンチには誰もいなかった──

不在って、不在のままじゃ済まないんだよ。
“そこにいたはず”の記憶が、空間に染みつくから。
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