
AIロボットが社会に浸透し、生身の人間はどんどん見なくなった時代。
一方で、見た目だけが完全にロボット風な「ロボットスーツ」がバカ売れしていた。何故なら、それが一番コスパが良かったからだ。
■「AI Futureシリーズ 第1話〜第3話まとめ」
>> 第1話「他ビルの朝のオフィスの様子」はこちら
>> 第2話「隣のビルのオフィスの昼の様子」はこちら
>> 第3話「他ビルの夜のオフィスの様子」はこちら
人間は「抜け道を見つける」のが上手い生き物
誰もいないオフィス、動き続けるロボットたち。
昼になっても、夜になっても、人間の姿は現れなかった。
──世界はいつの間にかロボットで埋め尽くされ、
彼らだけが働き続ける静寂の都市。
翌朝。ひとりのロボットが席を立ち、背中を伸ばす。
カチャリと音を立てて胸部が開き、中から1人の人間が姿を現す。
中から出てきたのは――

「ふぅ、今日も業務完了っと」
人間だった。
未来では妙な商品が爆発的に流行した。
見た目だけがロボットにそっくりな「ロボットスーツ」。
誰もが疑問に思った。
なぜ今さら、人間が“ロボットに成りすます”必要があるのか?
その理由は──“会社に遅刻してもバレないから”。
「AIなら処理中で遅れることもある」
「エラーで返事しないのもロボの仕様」
「目を合わせないのも、プログラムの個性」
つまり、ロボを演じると全部ごまかせた。
最後に見つかった、スーツの取扱説明書にはこう書かれていた。
「ご利用は計画的に。中身が人間である限り、バグ扱いされる可能性があります」

「…やっぱり中身かいっ!」

「ロボット社会だと思ってたら、中に人間いたパターン。これ一番コスパいいやつ。」
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